http://www.butagumi.com/shokudo
地下鉄日比谷線 六本木駅 1c出口 徒歩1分
都営大江戸線 六本木駅 徒歩3分
〒106-0032
東京都港区六本木6-2-31
六本木ヒルズノースタワーB1
TEL : 03-3408-6751
コメント : 豚肉にはこうゆうものがあるんだっていうのを感じてもらえればな、と思います。
六本木であつぎ豚だけでなく、数々の銘柄豚をとんかつで味わえる、
とんかつ 豚組食堂の料理長、岩下さんにお話をお伺いしました。
お店の特徴やコンセプト、成り立ちを教えてください。
岩下:とんかつでも高級なとんかつが出せるのではないか、というコンセプトで本店西麻布とんかつ豚組は11年前にスタートしました。
その後7、8年経った頃に高級なとんかつが周知されるようになってきたので、とんかつの原点(昔から幅広い層で食されてきたとんかつ)に戻って入りやすい価格帯でも工夫して同じレベルで提供できないか。その想いが豚組食堂のコンセプトです。
なるほど。ではそれが豚組食堂さんのコンセプトということですね。
岩下:そうですね、お客様が足を運びやすいリーズナブルなお店を目指しています。といっても従来の味はそのままに、基本となるものすべて本店と同じものを使っています。
もちろん、とんかつ自体のレベルを落とさないために油、パン粉は美味しいとんかつをご提供するのに必ず外せないポイントです。
揚げ油にもこだわっているんですね?
岩下:はい。油は太白ごま油と綿実油をブレンドしたものを使っています。お店で使っている竹本油脂さんの太白ごま油は、他のごま油とはゴマの抽出方法が違います。普通のごま油はゴマを炒るため油の色が濃くなるのですが、太白ごま油は白ゴマを炒らずに抽出しているので透明に近い色をしています。
ですので揚がりの色が鮮やかな黄金色になります。
また、以前本店の方では太白ごま油100%でやっていたのですが、油切れがあまり良くなくお客様からもそういうお声をいただいたので綿実油という油を混ぜることによって油切れがよくなるよう、竹本油脂さんに特注で自社オリジナルブレンドを作ってもらっています。
油屋さんにオーダーメイドしているんですね!それは凄い!!!
岩下:はい。あとはパン粉ですね。こちらも本店と同じ糖度2%のものを使っています。これより糖度が高いものを使ってしまうとどうしてもパン粉の甘さが強く出てしまい、豚肉本来の甘さを消してしまいます。それにより食べにくさや重さを感じてしまうので研究を重ねた結果、今のパン粉にたどり着きました。
すごいですね!パン粉の糖度なんて聞いたことないです。そこまでこだわり抜いた食材であつぎ豚のとんかつを作ってくれているなんてとても光栄です!
今まで食材についてのお話をいただいたんですが、ちなみに揚げ方や作り方にも何か豚組ならではのこだわりはあるのですか?
岩下:はい、塩・胡椒・パン粉はとんかつを揚げる直前に付けています。これは当店のこだわりです。三十分を過ぎるとどうしても肉汁が出てきてしまったり、パン粉も崩れてきてしまうので。あとは保存方法も工夫していたりします。どうしても塩コショウをすると肉汁が出てきてしまいます。それによりパン粉が肉汁を吸って、揚がりが黒くっぽくなってしまうのでパン粉をつける際は細心の注意を払います。
なるほど。研究、徹底されてるんですね。
岩下:そうですね、本店にいた時に自分の師匠に教えてもらったことを豚組食堂でも受け継いでやっています。
本店と豚組食堂さんを行き来するお客様はいますか?
岩下:もちろん、いらっしゃいます。こちらを先に知られて来られたお客様が本店の方にも行ってみたいと言われるお客様もいますし、逆に本店の方からこちらがどんなものなのかと来店されることもあります。
こちらに出店されて何年目になりますか?
岩下:4年目ですね。
そんなに経ちましたか!最初に岩下さんにお話いただいた時に六本木に出店すると聞いてからもうそんなに経つんですね。
岩下:そうですね、もう少しで5年です。4月28日がオープン日だったので、それで5年目に突入します。
岩下さんがとんかつ屋さんをやられて長いですよね。
岩下:8年位ですね。本店は(立ち上げて)11年位になります。その前は他のとんかつ屋さんにいました。当時はアルバイトでした。その後蕎麦屋に勤めながらこのまま蕎麦屋を続けようか、もう一度とんかつ屋に挑戦しようか迷っていました。ただとんかつの勉強はその間も続けていました。
今、岩下さんがここにいるってことはとんかつに対する魅力が忘れられなかったんですね。探究心の強い岩下さんにとってとんかつ道を突き詰め続ける豚組さんとの出逢いは、運命のように感じます。
では、今、豚組さんで仕事をしていてどんなところに幸せとやりがいを感じますか?
岩下:そうですね、以前も他のところでとんかつは作っていたのですが、ある程度かたちが完成されていたものにジャガード(繊維を断つ為の調理器具)を打ち、手を加えて肉を柔らかくしていましたが豚組ではジャガード等は一切打たないで、筋を切るだけです。
お肉本来の、生産してくれた豚そのままの美味しさをだせるということにそう感じます。
ジャガード!!!そういえば岩下さんに打つ、打たないの違いを聞いて僕等が作っているとんかつも打たないようにしたんです。やはり柔らかくしなければと頭の中にあったのですが、それをやると肉汁が出てしまいますし、あつぎ豚は基本的には柔らかいのでと岩下さんに言われた覚えがあってジャガードを止めた経緯があります。なんだか、お恥ずかしい話ですが……。
岩下:そうですね。ただそこのお肉は若干硬さがあるのでジャガードをしなければいけませんでした。肉質がもとから硬いので、ジャガードしていても硬いことがありました。なのでどうしてもやらなければいけなかったんですが、あつぎ豚も含め、今豚組食堂で使っている豚肉はすべて柔らかいので、ジャガードを打つ必要はありません。
豚組食堂さんはあつぎ豚を含め、いろいろな豚肉を使っていますが、豚肉を選ぶポイントはどんなところですか?
岩下:選ぶポイントは、まずスタッフ全員で食べて確認をします。肉が柔らかいか、赤身に味があるか、白身に旨味があるか、臭味がないか。そこを重点的に確認します。まずは、皆で食べて判断します。
それはアルバイトも含めて全員ですか?
岩下:そうです。全員に食べてもらって、全員の印象を聞きます。食べる人はいっぱいいますから、お客様は。
なので、ある程度の人が“よし”と言わない限り出さない感じになります。あとは柔らかさと旨味の強さが良ければですね。
肉の柔らかさと、脂の旨味、肉の旨味。この三つですね。この全員で食べるというのは西麻布(本店)の時からなんですか?
岩下:もちろん。西麻布もやっていたのでそのまま持ってきた感じです。全員で食べて、良し悪しを皆に聞いて、ですね。
どんなに短期のアルバイトの方でも関係なくですか?
岩下:全然関係ないです。その場にいる人間は必ず食べます。
前に一度来店させていただいた時、どんなに混んでいてもチームプレーが上手いなって印象を受けました。やはりそういうところなんですね。まず皆で共有する。
岩下:そうですね。やはり共有しないと。
豚肉も共有しながら、皆で自信をもってということですね。
岩下:はい、アルバイトでも働く以上は自信をもって売れるものを提供しないとアルバイトさんも疑心暗鬼になっちゃいますからね。これがオススメかな…ってなると大変じゃないですか。
ですよね、とても共感できます。さて、そこであつぎ豚が条件にはまった、ということですね? 最近のあつぎ豚はどうですか?
岩下:良いものがきて、バランスも良いです。ちょっとバラつきが季節によってどうしても出てきてしまいますけどね。
基本的に霜降りが多いものを選ばせていただいているんです。
岩下:霜降りは問題ないです。重視しているのは赤身の透明度。くすんだ赤では味が良くないので、透明度のあるほうは良い味です。特に前々回にいただいたお肉はとても赤くて、透明だったのですごく良いな、と思いました。
では、お店のオススメの一品はなんですか? とんかつ専門なので、とんかつになってしまうんですが、あえて。“あ”の付くものでお願いします!(笑)
岩下:どの豚がってことですか? ではここはあつぎ豚で(笑)。
ありがとうございます。なんか言わせた感がありますが…。(笑)
岩下:(笑)基本的に最初に来たお客様にはまずスタンダードポークをオススメします。まず食べていただいて、美味しいと思ったら他の豚(プレミアムポーク)にも興味をもってもらえたらな、と思ってます。そうして次に繋がってもらえると嬉しいです。
それがあつぎ豚ということですね? ありがとうございます(笑)
岩下:どうしても次に繋がらないと意味がないので。一見で終わっちゃったら残念なので。
なるほど。では、それがなぜオススメなのか教えてください。
岩下:あつぎ豚は結構スタッフ皆から、生のお肉で見ていてもすごく綺麗だねとか、霜降りが入ってると聞くことが多いです。
あつぎ豚も厚木市の中でも、大分周知をされてきたようです。あつぎ豚って名前を付けてからもう6年位経ちますね。最近かながわブランドにも認定されたり、メディアで取り上げていただいたり。おかげさまで年々お客様が増えてきて、とてもありがたいです。たまに六本木ヒルズで食べられますよって言ったら驚かれます。
岩下:ありがとうございます。
では、最後にお客様に一言、メッセージをお願いできますか?
岩下:あつぎ豚も含め(笑)、いろいろな豚を取り扱っています。その種類を食べ比べていただくことが一番美味しく、楽しめる食べ方かなと思います。いろんな豚の種類を食べてもらって味の違いを、豚肉にはこうゆうものがあるんだっていうのを感じてもらえればな、と思います。
なかなか豚だと牛と違って味が一辺倒ってイメージが強いですが本当は豚それぞれ違いがあるんだっていう事を、ぜひお客様にも知っていただき、味わっていただきたいと思っています。それこそ僕が目指す豚組食堂のあるべき姿だと考えています。いろんな豚を食べてもらいたいです。
住所 | 〒106-0032 東京都港区六本木6-2-31 六本木ヒルズノースタワーB1 |
---|---|
TEL | 03-3408-6751 |
アクセス方法 | 地下鉄日比谷線 六本木駅 1c出口 徒歩1分 都営大江戸線 六本木駅 徒歩3分 |
営業時間 | 11:00~23:00(L.O.22:30) 定休日:年中無休 |
HP | http://www.butagumi.com/shokudo |